診診連携について

仲本内科 仲本昌一

1.Forest World http://plaza11.mbn.or.jp/~slump/

2.高岡市医師会; http://www.toyama.med.or.jp/gunsi/taka/

3.兵庫県保険医協会; http://www1.doc-net.or.jp/~hyougo/

4.医療経営情報サイト:MMI; http://www.mmi-net.co.jp/

5.伊都医師会; http://www.ito.wakayama.med.or.jp/

6.田中医院; http://www.tanaka-clinic.or.jp/

(表1)

今年(2001年)の2月に那覇新都心地区に開業し、早半年が過ぎました。救急専門医から町医者に転換すべく日々試行錯誤の毎日が続いています。そんな折、診診連携について寄稿することを依頼されました。私の周りも新に4つの診療所が開院されました。これを機会に診診連携についてよく考えるようにと新米開業医に宿題を課せられたのだと思い勉強することにしました。

元来物知りではないので、診診連携についてと言われても、まずどんなものであるかが、おはずかしい話ですが、私にはスムーズにイメージとして湧いて来ないのです。それで今流行りのインターネットで検索することにしました。実は私このインターネットがたいへん好きなのです。自宅、診療所をLANで結び常時接続にし、wwwサーバ、メールサーバ、DNSサーバを独自で持っていて毎日インターネットにアクセスしています。おまけにカルテも電子カルテにし、医療情報も電子化しています。そんな訳で自分の好きな特異な医療情報の電子化と診診連携を結び付けられないかとの目論見もあったためです。

それで検索エンジンgooに“診診連携”で入力し、ヒットしたのはわずか6件(表1)ですが、それらしきものがちゃんとありました。簡単にご紹介しますと、1番目は名古屋の田中博彦先生のホームページで、先生が本格的に診診連携ついて取り組まれていて、診診連携は何ぞやから始まり、異なる標榜科同士の連携、ほぼ同じ診療所同士の連携、コンピュータによる患者情報の共有、愛知県の診診連携を組んでいるメンバー紹介とたいへん参考になるものでした。2番目は高岡市内の公的4病院を中心にした病診・診診連携で、症例検討会とオープンベットシステムにし、在宅医療支援システムとして市医師会で30余りの医療機関が参加し24時間体制で診診・病診連携しているとのものでした。3番目は兵庫県保険医協会のホームページで、「在宅ターミナルケアにおけるネットワークづくり‐在宅ケアにおける診診連携を中心とした地域連携の実際」の演題で岡山県の佐藤涼介先生が講演した内容を掲載したものでした。その中には3院が24時間対応をするため在宅患者情報を入力し、連携医が互いにその情報を見れるようにして相互に扶助するシステムづくりや地域薬剤師との医薬連携の勉強会、信頼関係づくり等々が目を引くものでした。4番目はMMIと言う有料の医療経営情報提供サイトで診診連携についての総論的なまとめを有料でダウンロードするものでした。5番目は和歌山県伊都医師会が平成6年より在宅医療ネットワークを編成して、在宅医療に必要な情報交換をこれまで以上に容易に効率良く行うことを通して病診連携と診診連携の推進を図り、在宅の一層の向上を目指すものでした。6番目は兵庫県の田中医院のホームページで診診連携として東灘区医師会の他科診療所の場所、電話番号を掲載しているものでした。

以上を調べて私なりにまとめてみると、インターネットで飛び交う“診診連携”は、独立した診療所同士が“覚え書き”のような規約(図1)をつくり、目的をもった機能連携(24時間カバーし合う在宅医療、専門性を補う連携・情報の共有化を促進する連携、セカンドオピニオン求める連携など)を組むシステムを言い、まだ全国的には数はそう多くはないが、現代の多様化した患者さんの病態に一人の医師だけでは対応が難しいことを近隣の診療所と連携し、経済的かつ精神的負担を軽減しながら、かつ医療の質の向上し患者さんの信頼を得ているモデルケースがあることです。これを私の現状に照らし合わせてみますと電子カルテをもっと情報の共有化に活用でき可能性があること、自分の足りないことを診診連携は患者のために補完できる可能性が十分にあり積極的に参加すべきだと感じました。

 

内高A診診連携に関する覚え書き4/1/95)

当診診連携システムの名称

本システムは 内高A診診連携 と称する。

当診診連携システムの目的

1)    当該診療所間の親睦をはかること。

2)    各々診療所の特徴を生かした医療連携を組むことにより、地域住民に健康保全と疾病の予防、さらに継続的な医療を提供する。

3)    セカンド・オピニオン制度を導入することや種々の医療情報を共有することによって、お互いに医療の質の向上を目指す。

4)    当診診連携システムは、在宅医療の受け皿の機能を果たす。

当診診連携システムの機能

1) 当診診連携に参加している診療所が、何らかの理由で休診した場合には、依頼によって他の診療所はそれぞれにおいて、依頼患者の継続治療を出来うる限り助けるものとする。但し、休診していた診療所が再開した場合には、さきの患者はすみやかに元の診療所に再び紹介されねばならない。

2) 救急の医療体制が必要な場合、依頼があれば、当診診連携に参加している医師は、出来るかぎりすみやかな人的あるいは物質的な援助を惜しまぬこと。

3) 当診診連携所間での医療に関する相談(セカンド・オピニオン)には各々出来る限りの協力をし、その内容は患者及び部外者には決して洩してはならない。

4) 当診診連携に参加する診療所は、それぞれの診療所の機能を具体的に公開し、必要な場合、器具、薬あるいは施設などを提供し、お互い助けあうものとする。

5) 診療所間の患者往診依頼は、出来得るかぎり時間を調節し、お互い協力しあうこと。車馬賃は、当該主治医が相談して決定するものとする。

6) 当診診連携システムと契約基幹病院との連携に関する覚え書きは、別項にて定める。

当診診連携システムの入会と脱会許される

1)       入会は、当会員の2/3以上の賛成が得られればものとする。

2)       脱会は、脱会しようとする会員の意志表示のみで許される。

覚え書きの改正

1) 改正は参加医療機関の代表の2/3以上の賛成をもって成される。

図1(森 博彦 他:診診連携:異なる標榜科同士による診診連携の試み

プライマリ・ケア vol 20 No3 1997より)