顔面外傷(顔面骨骨折を中心に)

 何らかの外傷で顔面腫脹、皮下出血、結膜下出血、鼻出血を伴う患者を見たら、開放創の有無を問わず顔面骨骨折を念頭に入れ、以下の点を中心に診察する。
  1. 頬部、前頭部の陥凹変形の有無
  2. 知覚障害の有無

  3.   (頬部、鼻部、上口唇、上顎歯牙の知覚障害は頬骨、上顎骨骨折、下口唇、下顎歯牙の知覚障害は下顎骨骨折のサイン)
  4. 触診上、骨辺縁のズレ、限局した圧痛の有無
  5. 複視または眼球運動障害の有無
  6. 開口障害の有無

  7.  以上のうち一つでも“有”の場合は骨折が強く疑われる。その場合、頬骨、上顎骨骨折ではWaters' viewとCT(水平断)を撮影し、レジデントにコンサルトの上、形成外科医に診察を依頼する。夜間は翌日コンサルトし、不在の場合は火または金曜日の形成外科外来へ回す。また、下顎骨骨折が疑われる場合は全顎パノラマ撮影が必須だが、坐位になる必要が り、その点を考慮して依頼する。なお、下顎骨骨折単独の場合は口腔外科にコンサルトする。
     泥酔者は酔いが醒めるのを待って再診察、意識障害の る者はその原因究明を優先すべきなのは言うまでもない。