放射線科


0.レントゲン検査をオーダーする前に
 病院の中で最も危険な場所は、放射線部と言われています。放射線技師は撮影のプロですが、残念ながら病態の急変には対応できません。喉頭蓋炎を疑う乳幼児の頚部X線撮影に医師が付き添うことはよく知られていますが、これに限らず、今にもストレッチャーから飛び降りそうな顔面血だらけの興奮した交通事故の若者や、車椅子にうずくまった呼吸の苦しそうな老人など、放射線技師が撮影の合間に注意していても待合室は確かに危険な場所と云わざる得ません。そのような場合は医師が付くことを原則としてください。放射録に責任者としてサインする前に、放射線への道中を想像してみて下さい。
1.胸部単純写真


2.腹部単純写真

    【読影のポイント】
     *単純写真で見えやすい空気と石灰化(骨)にまず注目する!!  
  1. 空気…腸管ガスとこれ以外のガス(異所性ガス)に大別する
    1. 腸管ガス→小腸と大腸の鑑別
    2. 異所性ガス…まず腸管穿孔による遊離ガスに注目する
    3. その他の異所性ガス(特に糖尿病の人)
      1. 膿瘍
      2. 気腫性腎盂腎炎、〜胆嚢炎、〜膀胱炎
      3. 消化管との内瘻…胆道ガスが代表


      注)いずれの病態でも腸管ガスも貯留するので、単純写真のみでの異所性ガスの確定は難しいことが多い→CTで確認する

  2. 石灰化(骨)
    1. 胆石と尿管結石
    2. 見えれば役に立つ石灰化(めったに見えないが…)
    3. 病変と紛らわしい石灰化
    4. 骨折
  3. 水と油(脂肪)は単純写真では難しい
    1. 水…dog ear sign, paracolic gutter の開大→エコーで診断
    2. 脂肪…脂肪を含む腫瘍(卵巣奇形腫など)


   【撮影室から一言】(胸部単純撮影と共通です)

体表の不要な異物は診察時点で除去しておこう
胸部単純写真は、原則として病衣に着替えて撮影します
座位撮影の指示を出したときには、起倒機能のついたストレチャーを使用してください
NGチューブはクランプしてください


3.頭部単純写真

4.超音波検査

5.CT検査