精神科
精神症状を主訴とする患者
1.40才以上で初発の精神症状、痴呆を訴えて来院した時は、器質的疾患を考えるのが原則。必ず内科スタッフへconsultationすべし。
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脳腫瘍・正常圧水頭症
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外傷(慢性硬膜下血腫)
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感染(髄膜炎、脳炎)
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脳血管障害(multiinfarct dementiaなど)
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電解質(Na↓、Ca↓、BUN↑など)
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肝不全
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内分泌(糖尿病性昏睡、粘液水腫、甲状腺機能亢進症)
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悪性貧血
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薬物
2.以前から精神科に通院中の患者の場合
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今回の症状が以前と異なる時は、上記の器質的疾患の合併を考慮する。
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以前と同様な症状であり、自傷他害の可能性がある場合は、通院中の病院と連絡をとるか、翌朝まで応急的にクロールプロマジンやハロペリドールの投与で鎮静を行う。
3.鎮静
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クロールプロマジン(ウインタミン)25mg(1A)をソリタT3
200mlに溶解する。200ml/h。註)筋注は筋肉痛をおこすので望ましくない。血圧低下がおきるので低血圧がある場合は使用しない。
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ハロペリドール(セレネース)5mg(1A)を生食100mlに溶解する。100ml/h〜200ml/h
。又は筋注。
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イソミタール250mg(1A)をソリタT3
200mlに溶解する。100ml/h〜200ml/h点滴静注し入眠したところでoffにする。
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興奮が激しく即入眠させたい場合はチアミラールナトリウム(イソゾール)0.5gを20mlで溶解し、5mlを静注する。それでも入眠しない場合は5mlを追加する。20分〜30分しか効果がないので上記を追加する。
4.コンサルテーション
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服毒その他の方法による自殺企図の患者は全て精神科医のインタビューを受けさすのが望ましい。やむなく帰す場合は、数日後に精神科外来を予約するか、希望すれば他の精神科へ紹介する。
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通院中の精神科があれば、そこへ紹介するのが望ましい。(精神科への予約や紹介をすること自体が、自殺の再企図の防止になり得る。)
5.Panic
Disorder
Panic attack で来院した場合は、器質的疾患を除外した上で、ジアゼパム(ホリゾン、セルシン)10mg1A〜20mg2A をソリタT3 200mlに溶解して、200ml/h で点滴静注する。それでも効果ない時は、同量を追加点滴静注する。興奮してラインが確保できない時は筋注でもよいが、あとで筋肉痛が起きる。ソリタT3以外には、混濁するため溶解できないことに注意。