チアノーゼ
・チアノーゼは通常、酸素飽和度が85〜88%以下になると出現する。
・チアノーゼがチアノーゼ性心疾患か非チアノーゼ性心疾患あるいは呼吸器疾患による  ものかの鑑別モHyperoxia test(100%酸素を吸入させる。チアノーゼが消失すれば チアノーゼ性心疾患はまず否定できる)
・新生児期のチアノーゼ、呼吸困難は心疾患、呼吸器疾患以外でも起こり鑑別に注意する ことが必要である(表1)

              チアノーゼ
              呻吟呼吸
              陥没呼吸
              多呼吸


 呼吸器系疾患      心疾患             代謝     中枢神経   血液
1呼吸窮迫症候群    1ファロ−四徴症        1低血糖    1脳出血   1急性出血
2一過性多呼吸     2完全大血管転位        2低体温    2脳浮腫   2双体間輸血
3胎便吸引症候群    3肺動脈閉鎖+心室中隔欠損症  3代謝性疾患  3薬物    3多血症
4胎児循環遺残     4総拝静脈環流異常症                     4メトヘモグロビン
5肺炎         5三尖弁閉鎖                          血症
6気胸         6総動脈幹遺残症
7気道閉塞       7純型肺動脈閉鎖
            8エプシュタイン奇形
  
    表1新生児期のチアノーゼ、呼吸障害の鑑別診断

・ファロ−四徴症無酸素発作の治療
 @患児がよくなついている者にケアさせ、まず落ちつかせる。
 A胸膝位(乳児の場合、膝関節に前腕をいれ肩に抱きかかえる様にする)
 B酸素投与
 Cモルフィン0.01〜0.1mg/kg皮下注、又はケタラール5mg/kg筋注、ホリゾンは血  圧を低下させるため禁忌
 D静脈確保、必要に応じ輸液する
 Eメイロン:1〜2mEq/kg静注
 Fプロプラノロール:0.1mg/kg静注
 Gフェニールエフリン 2〜5μg/kg/分 持続静注(血圧を上昇させる、重篤な場   合、早期に用いてもよい)
 H気管内挿管し筋弛緩させ人工呼吸管理をする
 I外科的治療(シャント術、根治術)
※新生児期に動脈管により肺血流を保っている心疾患(肺動脈閉鎖、三尖弁閉鎖など)  や、動脈管により体血流を依存する心疾患(大動脈縮窄症、大動脈弓離断症など)では チアノーゼがあっても 酸素投与は行わない
※心疾患の患児は必ず上下肢の血圧を測定するか、触知することが大切である。



                           小児科 我那覇仁