眼科救急
ルーチン検査
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視力検査
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光覚あり、なし、手動弁、cm/指数弁
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普段良く見えている人が手動弁以下の場合は要注意
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対光反応
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フルオレセイン染色
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シェッツ眼圧計による眼圧
1.角膜びらん(化学的熱傷、コンタクトレンズによる損傷も同様)
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眼痛が主訴の患者は角膜びらんのことが多い
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フルオレセイン染色
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ベノキシールを2−3滴点眼麻酔
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フルオレセインの試験紙を生食水で濡らして、下眼瞼結膜に塗布後生食水で洗い流す。
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びらん、潰瘍面は緑色に染まり診断できる。
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処置
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化学的熱傷(酸、アルカリ傷)の場合、十分に生食水で眼洗浄する。
特にアルカリ傷は、予後が悪いので少なくとも1リットルぐらいは使用して洗浄する。
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テラマイシン眼軟膏を塗布したあと眼帯して帰す。
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自宅にて、2時間毎に軟膏の点眼をする。←寝ている間は、わざわざ点眼のため起きる必要ない。
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処方箋の書き方
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E-テラマイシン眼軟膏1本(患眼を明記一右or左or両2時間毎)
E-FAD眼軟膏1本(患眼を明記一右or左or両2時間毎)
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眼痛強いとき
セデスG lg(眼痛時頓服)3包
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びらん面が大きい場合
大人 L‐keflex 2g/2 ×3日
子供 keflex 30mg/kg/4 ×3日
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その後、出来るだけ近い外来へまわすこと
2.角膜異物
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(原因)鉄片異物が多い
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救急室では、ベノキシール点眼後、眼洗浄を2〜3回繰り返して流れない場合はテラマイシン眼軟膏を塗布したあと眼帯して近い外来へまわす
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処方箋の書き方
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テラマイシン眼軟膏1本(患眼を明記一右or左or両2時間毎)
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眼痛強いとき
セデスG lg(眼痛時頓服)3包
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びらん面が大きい場合
大人 L‐keflex 2g/2 ×3日
子供 keflex 30mg/kg/4 ×3日
3.電気性眼炎
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Historyより診断
溶接をゴーグル無しで行ったかどうか?
又は、紫外線(殺菌灯等)を長時間みたか問診すること
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(処置)
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ベノキシールを2−3滴点眼麻酔後、テラマイシン眼軟膏を塗布し、
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眼帯して近い外来へまわす
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処方箋の書き方
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e:FAD眼軟膏1本(患眼を明記一右or左or両2時間毎)
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e:タリビツト点眼液1本(患眼を明記一右or左or両×6)
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e:0.1%フルメロール点眼液1本(患眼を明記一右or左or両×6)
(消炎のため、痛みがとれたら中止)
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近い外来へまわす
4.結膜炎
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ウイルス性(AHC、EKC、その他)
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アレルギー性
5.隅角閉塞緑内障
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病歴と所見
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病歴;
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所見;
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充血、角膜混濁、対光反射が著しく減弱する。
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患眼散瞳気味、視力障害がある
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シェッツ眼圧計による眼圧
ベノキシール点眼後、シェッツ眼圧計を角膜にのせる
その目盛りを読みとり、換算表にて眼圧を換算する目盛りが3以下の時は負荷を大きくして計り直すこと
記載例 目盛り/負荷=眼圧mmHg
6.5/5.5>13.35mmHg
5.0/10.0=37.19mmHg(緑内障発作時は30mmHg以上)
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(処置)
指示の書き方
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患眼 e:2%サンピロ1本 最初の1時間は5分毎。その後2時間毎。
健眼 e:1%サンピロ×4
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20%マニトンS 500cc →500cc/hr i.v
注意!:heart problem(心不全)、腎不全等のある患者に対しては内科にコンサルトし、点滴可能なら、i.vの指示を出す。riskはおかさないこと!
また、急性緑内障発作のアセスメントで、上記指示を出した時点で、速やかに眼科オンコールに連絡すること。
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Diamox500mg……one shot
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痛みに対して
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冷たいタオル、アイスノン等で患眼の周囲を冷やす。
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ペンダゾシン15mg i.m
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→上記の処置後、眼科にコンサルト。
6.眼窩内異物、眼球内異物
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(診断)CT
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眼窩5mmスライスできるだけ撮影時に放射線技師といっしょにwindowを変えながら異物をさがす
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(処置)
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抗生物質
CEZテスト後1g i.v 6時間毎
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点眼e:テラマイシン眼軟膏1本(患眼を明記一右or左or両2時間毎)
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e:サルペリン点眼液1本(患眼を明記一右or左or両1時間毎)
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e:トブラシン点眼液1本(患眼を明記一右or左or両1時間毎)
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上記の処置後、眼科にコンサルト。
7.眼外傷
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眼瞼、涙小管裂傷
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小さいと思われる場合一外科レジコンサルト→眼科外来へ
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大きいと思われる場合→眼科コンサルト
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角膜、強膜裂傷
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手術必要!
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ベノキシール点眼後、眼球を圧迫しないようにして開瞼し、観察する。
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角膜裂傷、虹彩脱出あれば眼科コンサルト!
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それまでの処置
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tetanustoxoid 0.5ml i.m
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テラマイシン眼軟膏塗布し眼帯
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CEZ1g 6時間毎i.v
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外傷の機転により、異物が疑われる場合CTにて異物の有無を確認
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例えば交通事故-フロントガラスが割れて、裂傷を来した場合
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前房出血
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殴られた、石、ボールが当たった等で起こる。
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穿孔性眼外傷を伴う場合はその処置を行う。
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穿孔性眼外傷がない場合に以下の処置を行う。
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(所見)
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対光反応は鈍いか、ないこともある。
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瞳孔の偏位を伴いやすい。
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前房出血のため前房が混濁したために眼底も見にくいことが多い。
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(処置)
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大人の場合
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e:テラマイシン眼軟膏1本(患眼を明記一右or左or両2時間毎)
e:アトロピン眼軟膏1本(患眼を明記一右or左or両×2)
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Diamox 1錠/1 ×3日
Aspara K 2錠/1 ×3日
→上記を処方し眼科外来へ回す。安静を指示すること
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子供の場合→入院となることが多い。
深夜、準夜帯なら
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e:テラマイシン眼軟膏1本(患眼を明記一右or左or両2時間毎)
e:アトロピン眼軟膏1本(患眼を明記一右or左or両×2)
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Diamox 1錠/1 ×3日
Aspara K 2錠/1 ×3日
→上記を処方し、EC入院室にて安静、経過観察し、翌朝コンサルトする
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眼底出血
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アドナ 90mg/3 ×7日
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ダーゼン 30mg/3 ×7日
→上記を処方し眼科外来へ回す。
8.外傷性視神経損傷
眉毛部外方の傷があって、眼球そのものには傷がなく、眼底にも特に異常所見がないのに視力障害を訴える時に多い
(診断)
瞳孔反応の異常、左右交互に光をあて検査する。
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直接
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間接
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視神経損傷 |
患側 |
−
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+
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健側 |
+
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−
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動眼神経麻痺 |
患側 |
−
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−
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健側 |
+
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+
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眼科コンサルトする。
9.網膜中心動脈閉塞症
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主訴は片眼性の視力低下
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緊急を要する疾患!
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視力予後は治療開始までの期間に影響される(網膜剥離との鑑別が大切)
historyと眼底所見が大切
history 急にぽやけてきた。
(網膜剥離:ある部位からカーテンを引くように徐々に見えなくなってきた。)
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眼底所見 cherry red spot
(網膜剥離:薄いべ一ル状のものがういてみえる)
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治療はまず、眼球マッサージ(網膜剥離では、マッサージ禁!)
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それからダイアモックス500mg i.v
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急ぎ眼科コンサルト
10.眼窩壁骨折
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Blow ouot fracture
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現在は主に形成外科で治療。
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眼科は近い外来へ回す。