1.糖尿病が� るかどうか、使用薬剤はインスリンか経口血糖降下薬かをまず確認する。そ　れ以外の基礎疾患、特に高血圧、心疾患の既往の有無も確認する。最初に聞かなかったために診断や治療が遅れたり、大きな誤診をすることが多い。

2.低血糖は、高血糖よりも危険で� り放置すると、けいれん、意識障害等を引き起こし致命的となる。ほとんどが、インスリンや経口糖尿病薬使用者で� り、使用薬剤の確認　と動悸・冷感・振戦等、初期の症状に注意する。血糖測定器で血糖をチェック後、50%グルコース1A〜2Aの補給を行う。

3.糖尿病の患者が気分不良、嘔吐、� 痛、食欲低下、発熱などで来院した際は、以下の恐ろしい疾病が隠れていることが多いことを覚えおく。
＊研修医の� 、糖尿病患者の不定愁訴でよく失敗するので、慎重に診なければならない患者で� る。

○Diabetic Ketoacidosis　(DKA) →呼吸数(20回以上)、血糖、血中・尿中ケトン血液ガス
○Nonketotic Hyperosmolar Coma →　血糖、血中・尿中ケトン、血液ガス
○Pneumonia →　胸部X-P；脱水が� るとき、最初は排痰、ラ音もなく肺陰影もないことが� り、輸液後に出現すること� り必ず再度聴診する。
○U.T.I→　検尿：ショック状態が遷延しているときは、尿路系の閉塞（主に結石）も考え、エコー、KUBを撮る。
○無痛性心筋梗塞 →　心電図：胸痛が無く、気分不良、冷感だけでくることが� り、必ずECGをチェックする。

4.糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)の定義、誘因、症状、徴候を模式化すれば、以下のようになる。　　　

　DKAの定義　：血糖≧250mg/dl、HCO3≦15meq/L、血中ケトン(+)、を満たす状態。
　DKAの誘因　：4Is+1 と覚える。
　　　　　　　　4Is(Infection、Infarction、Insulin luck、Inborn) + Idiopathic
　　　　　・・・感染、梗塞、インスリン中断・欠乏、妊娠、原因不明

�Aケトアシドーシス�ﾓ過呼吸、アセトン臭
�Bその他�ﾓ悪心・嘔吐、原因不明の� 痛（時に外科的疾患と誤診することも� る。)
DKAの治療：�@原因（誘因）の検索・治療・除去
　　　　　　�A水分の補給
　　　　　　�Bインスリン投与
　　　　　　�C電解質の補正（主にカリウムに注意）
の4点を同時に行う。原則としてICU管理とする。
---水分の補給は生理食塩水を用いる。ショック状態を除いて、最初の1時間で1�P、
　　次の2時間で1�P、次の3時間で1�Pと計3�Pを6時間で補給するのが一つの目安で� る。
---インスリンの投与量：血糖が400mg/dl以上で
　　初回0.1〜0.2単位/kg、bolus iv。次いで0.1単位/kg/時間で持続投与
　　（400mg/dl以下では初回bolus不要）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　腎臓内科　砂川博司