慢性腎不全

1:血液透析患者;全例専門医へ連絡する。

A 急性肺水腫(うっ血性心不全)
透析患者は一般に乏尿ないし無尿なので利尿剤は無効。従って前負荷、後負荷をとる ことによって肺水腫を改善させることを考える。具体的には、ミオコールの噴霧、或いは ニトロールの舌下、ミリスロールの点滴静注。血圧が高ければアダラートの舌下。呼吸抑 制に注意しながらモルフィンの静注を行う。必要に応じて挿管する。これで大体一時しの ぎはできるので翌日透析を行う。
B 低血圧
透析後の過除水によることが多い。特にDM患者は起立性低血圧をおこしやすい。経過 観察或いは生食200ml前後の点滴でよくなることが多い。
C 発熱
感染が多い。ブラッドアクセス(V-Vライン)の感染、敗血症、肺炎、尿路感染、結 核等。高熱の場合、血培は必ずとること。
D 胸痛;虚血性心疾患、心外膜炎等

E 高カリウム血症

必ず心電図をとる。P波の る洞調律で ればそう わてることはない。テント状Tを伴わず、P波の消失した徐脈で来院することが るので徐脈をみたら要注意。治療は、ま ずカルチコール1〜2Aをゆっくり静注。ヒューマリンRを5〜10単位静注。ひき続き  50%ブドウ糖2A静注。10%ブドウ糖500ml+ヒューマリンR10単位を20〜40 ml/hrで点滴。低血糖に注意!!(1〜2時間毎にKと血糖をチェックする)。アシドーシ スが強ければメイロンを静注してもよい。カリメート15〜30g/分3経口、または15 〜30gを微温湯100〜200mlに溶かして注腸、4〜6時間毎
2:CAPD患者;当院でCAPDを行っている患者はいない。
ER来院理由で最も多いのが 膜炎。 痛、発熱、透析液の混濁がみられる。患者に  膜透析液を排液させ、肉眼で混濁しているかどうか確かめる。排液の白血球数をカウント する(100個以上で、かつ多核白血球が50%以上なら 膜炎)。カルチャーボトルに 培養し、スメアをつくり鏡検する。CBC、CRPをオーダーする。培養をとってから、新し いCAPDバッグにCEZ1g+トブラマイシン0.6mg/kgを混注して 腔内に注液する。以上の 処置をしながらネフログループに連絡する。