めまい
めまいは日常診療上しばしば遭遇する症状である。その原因は良性であることが多いが、「倒れてこのまま動けなくなるのではないか」と患者は不安で一杯である。したがって、めまい患者を取り扱う上で大切なことは絶対に見落としてはならない重篤な疾患を正しく診断すると同時に、患者の不安を解消することである。
1.めまいの診断には病歴が最も大切
病歴聴取のポイント<問診>


2.理学検査のチェックポイント

  1. 血圧測定。とくに立ちくらみを訴える患者ではSchellongテストを必ず行う。臥位で5分間安静、血圧が安定したあとすばやく立位を取らせ血圧の測定を行う。直後およびその後1分毎に5分間、出来れば10分間測定を続ける。症状の出現および収縮期圧20mHg以上さがれば起立性低血圧症と診断する。脈拍の左右差も必ずチェックすること。
  2. 救急室にくるめまい患者は通常の平衡機能検査は出来ないことが多いが、鼓膜所見(鼓膜穿孔と耳漏の有無)と眼振所見は必ずみる。
  3. 神経学的検査法:局所徴候とくに後頭蓋窩の異常所見(脳神経麻痺、小脳失調症)の有無をチェックする→異常があれば中枢神経病変。
  4. 眼振の観察:回転性めまいの客観的な指標。
  5. 頭位、頭位変換眼振の記載の仕方(ここに 眼振検査結果の記載表がはいる)
    1. 1. 仰臥位        5.左下側臥位
       2. 右下頭位(頭部のみ) 6.懸垂頭位
       3. 右下側臥位      7.懸垂頭位→座位
       4. 左下頭位(頭部のみ) 8.座位←懸垂頭位
      激しいめまいを訴えている時に眼振が全く観察できない場合は心因性が疑われる。
3.画像診断  4.主なめまいを呈する疾患


5.治療

6.その他