皮膚科
救急室を訪れる皮膚科疾患を列挙した。帰宅させる場合は処方日数は最少にとどめ皮膚科外来を受診するよう患者に指示する。
1.蕁麻疹
掻痒を伴った膨疹(皮膚の限局性浮腫)が多発した状態。個疹は数時間以内に未治療で消失する。ERでの原因検索は難しいが薬剤歴(発症前に内服した抗生剤、鎮痛剤など)の確認は必要。主に沍^アレルギーなので次の時はレジデントにコンサルト。
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バイタルの異常(アナフィラキシーショックへの移行)
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呼吸苦のある時(気道の浮腫−>狭窄)
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顔面、口囲の浮腫が強い時(2に移行し易い)
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薬剤性が疑われる時
〈処方例〉
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抗ヒスタミン剤がfirst choise ;ポララミン(2mg) 3T /3
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抗ヒスタミン剤が禁忌(前立腺肥大、緑内障)の場合;アレジオン(20mg) 1T /1
2.急性掻痒
蕁麻疹、接触性皮膚炎、虫さされなどが多いと思われる。
3.帯状疱疹
4.接触性皮膚炎
俗称:かぶれ。重症度により痒み〜疼痛を伴い、臨床所見も紅斑、びらん〜水疱と多彩、多くは患者が接触原を自覚している。接触原の除去のため病変部の石鹸洗浄を指導する(症状強い時はERで行う)。スメアでbacteria(-)
、ウイルス巨細胞(-) であればステロイド外用剤を処方してよい。chemical injury
はレジデントにコンサルト。
〈処方例〉
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スタデルム軟膏 or リンデロンV軟膏 1日3回外用
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ポララミン(2mg) 2T /2
5.薬疹
薬疹の診断は多くの場合ER では不可能である。皮疹の分布が広範囲の時、眼や口腔などの粘膜病変を伴っている時、発熱など全身症状を伴っている時はレジデントにコンサルト。
6.結節性紅斑
圧痛と潮紅を伴う境界不明瞭な皮膚〜皮下の硬結。多くは下腿、両側性、多発性。polyetiologic
。眼、口腔、扁桃や外陰部のlesions は?。発熱などの全身症状は?。全例レジデントにコンサルト。
7.日焼け
紫外線によるsuperficial burn 〜superficial dermal burn 。局所の冷却(濡れタオルで充分)と水分摂取を促す。元気のない時、水疱形成が広範な時はレジデントにコンサルト。
〈処方例〉
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リンデロンV軟膏 1日2回外用
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スルガム(100mg) 4T /2
8.虫さされ
虫毒の強弱、アレルギーの有無によって症状は異なる。アナフィラキシー症状(+)の時はレジデントにコンサルト。
〈処方例〉
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掻痒性丘疹の場合(ダニなど)
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マイザー軟膏 1日3回外用
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ポララミン(2mg) 2T /2
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腫脹、疼痛を伴う場合(ムカデ、ハチなど)
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リンデロンV軟膏 1日2回外用
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腫脹が激しければ、プレドニン10mg/1の3日分
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スルガム(100mg) 4T /2
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イソジン消毒液 1日2回外用