ー禁煙についてー       医療法人はごろも会 仲本病院 院長 内科 玉城 仁
                   医療法人清心会徳山クリニック副院長 医学博士 永吉 奈央子
  
         【日時・会場】
       平成29 年2 月12日(日) 時間:13:00~14:20 会場:ホール

    演題1.もっとできるぞ禁煙支援 ~UPTODATE~
                   医療法人はごろも会 仲本病院 院長 内科 玉城 仁

    喫煙が健康に重大な影響を及ぼすことは、今や疑いようのない事実である。本邦でも喫煙が最
    も死亡リスクに関連することが2012年に報告され、高血圧、高血糖、肥満、運動不足、高塩
    分摂取等を凌いでいる。医療者がある疾患に対し予防法、治療、ケアを提供したとしても、患
    者が喫煙していては十分な医療を実践しているとはいえない。また、健康日本21(二次)では、
    がん、循環器疾患、糖尿病に加え、近年、急速に死亡が増加すると予想されているCOPDが含ま
    れ、H34年までに成人の喫煙率を12%、未成年、妊婦の喫煙率を0%と具体的な数値目標を設定
    した。以上よりプライマリケア医をはじめ、すべての医療者は喫煙者を禁煙へ導くための術を身
    につける必要がある。2006年4月に禁煙治療が一部保険適応になり10年が経過した現在、禁煙支
    援に関するエビデンスも蓄積されてきた。そこで、外来における禁煙の動機づけの基本的な方法
    とエビデンスについてまとめてみたい。

   ■プロフィール
   日本禁煙科学会認定禁煙支援医師、日本呼吸器学会指導医、日本内科学会総合内科専門医
   1994年琉球大学医学部医学科卒業 同年より沖縄県立中部病院 臨床研修
   1998年沖縄県立八重山病院 内科
   2000年沖縄県立中部病院 呼吸器内科
   2012年(医)喜和の会すながわ内科クリニック 内科
   2014年(医)はごろも会 仲本病院勤務
   2016年より現職

                 

    演題2.未成年への禁煙支援 現状と今後の課題
                  医療法人清心会徳山クリニック副院長 医学博士 永吉 奈央子

    喫煙者の多くは未成年期に喫煙を開始しており、常習喫煙となる年齢は18歳頃をピークに12~
    22歳頃と言われている。多感な成長段階における喫煙は、重大な心身の健康被害と社会生活面の
    悪影響をもたらすだけでなく、ほどなく出産年齢を迎え次世代に影響を及ぼすことからも、一日
    も早い禁煙が重要である。子ども達は遊び半分で喫煙を繰り返すうち、早期にニコチン依存を形
    成し、禁煙困難となる。成人同様に禁煙治療が必要で、薬物療法も有効であるが、子どもが禁煙
    外来を受診すること自体が容易でない上に、受診しても、未熟さや友人等の影響から失敗も多く、
    通院も続きにくい、喫煙状況に関する自己申告の信憑性も不透明といった難点がある。
    また、種々の家庭環境や学校生活での問題も絡み、自尊感情の低い子どもも多く、温かい対応が
    重要である。医療機関だけではなく、行政や学校、家庭と連携した社会的な支援体制の構築が望
    まれる。

    ■プロフィール
    1993年琉球大学医学部医学科卒業 同大学第三内科入局
    1995年県立那覇病院
    1996年浦添総合病院
    1997年琉球大学第三内科循環器内科
    1999年(医)愛和会あいわクリニック
    2000年(医)清心会徳山クリニック勤務
    2007年論文博士号取得
    2010年より現職
    日本内科学会認定総合内科専門医  日本禁煙科学会認定禁煙支援医師